白杖とか大げさやんw

画像説明

実際に言われたわけではなくても、そんな視線を感じたことがあります。

私自身、白杖を持つ前はそう思っていました。

白杖と聞くと、目がまったく見えない人が持つもの。

コツコツと地面を確認しながら歩く姿を思い浮かべる人も多いんじゃないでしょうか。

だからこそ、自分が白杖を持つことに抵抗がありました。

「まだ少し見えてるしな」

「自分が持つのは大げさなんちゃうかな」

そんな気持ちがずっとあったんです。

でも実際に見えにくさを抱えて生活してみると、白杖には私が思っていた以上に大切な意味がありました。

今日はそんなお話です。

私も白杖は全盲の人のものだと思っていた

見た目では分かりにくいかもしれませんが、視覚障害にもいろんな状態があります。

実は視覚障害者の中で、まったく見えない全盲の方は一部です。

多くの人はロービジョンと呼ばれる状態で、視力や視野が少し残っています。

私もそのひとりです。

人影は分かる。

大きな物も見える。

スマホも顔に近づければ見えることがある。

だから周りから見ると、

「普通に見えてるやん」

と思われることがあります。

でも実際は違います。

人の顔が分からなかったり、

段差に気付かなかったり、

物にぶつかったり、

人混みで方向感覚を失ったり。

少し見えるからこそ説明しづらい困りごとがたくさんあります。

見えている部分だけを見られて、

見えていない部分は見てもらえない。

これがロービジョンのしんどさなんですよね。

白杖を持つことへの葛藤

正直に言うと、私は白杖を持つことにかなり抵抗がありました。

白杖を持った瞬間に、

「私は視覚障害があります」

と周りに伝えることになります。

それが怖かったんです。

見た目では普通に見える。

少しは見えている。

だからこそ、

「なんで白杖持ってるん?」

「そんなに見えへんの?」

「大げさちゃう?」

そんな風に思われるんじゃないかと考えていました。

実際、ロービジョンの人の中には白杖を持つことをためらう人も少なくありません。

本当は危険なのに。

本当は必要なのに。

周囲の目が気になって持てない。

それくらい白杖には大きな心理的ハードルがあります。

障害を受け入れることとも少し似ているのかもしれません。

白杖を持つということは、自分の見えにくさと向き合うことでもあるからです。

白杖は「見えません」のためだけじゃない

でも実際に白杖を持つようになって気付いたことがあります。

白杖は足元を確認するためだけの道具ではないということです。

白杖には、

「私は目が不自由です」

というサインの意味があります。

例えば駅。

向こうから人が歩いてきます。

私は人がいることは分かります。

でも距離感が分からないことがあります。

どちらに避ければいいのか判断できないこともあります。

そんな時、白杖があるだけで周囲の人が少し気付いてくれるんです。

少し距離を取ってくれる。

少し待ってくれる。

少しだけ気に掛けてくれる。

その少しが本当に助かるんです。

白杖は特別扱いを求めるためのものではありません。

「ぶつかるかもしれません」

「見落とすかもしれません」

そんなことを伝えるためのサインなんです。

白杖を持っていてスマホを見ていてもいい

たまにSNSなどで見かけます。

「白杖持ってるのにスマホ見てた」

「普通に歩いてた」

「本当に見えてないの?」

という声を。

でも、それはロービジョンという存在を知らないだけなんです。

スマホは近付ければ読める人もいます。

明るい場所なら見える人もいます。

逆に昼間は見えても夜になると極端に見えなくなる人もいます。

視覚障害は白か黒かではありません。

グラデーションなんです。

だから白杖を持っていてスマホを見ていても不思議ではありません。

白杖を持っていて階段を降りていても不思議ではありません。

見えている部分と見えていない部分がある。

それがロービジョンです。

まとめ

昔の私は、

「白杖なんて大げさやん」

と思っていました。

でも今は違います。

白杖は弱さの象徴ではありません。

諦めの道具でもありません。

安心して外を歩くためのお守りのような存在です。

そして周りの人に、

「少しだけ気に掛けてもらえると助かります」

と伝えるための大切なサインでもあります。

もし街で白杖を持った人を見かけたら、スマホを見ていても、普通に歩いていても、不思議に思わなくて大丈夫です。

見えている部分もあれば、見えていない部分もある。

ただそれだけなんです。

見た目だけでは分からないことがあります。

でも確かに困りごとはあります。

そんなことを少しだけ知ってもらえたら嬉しいです。